「ポケモン」は昆虫採集が着想の原点ではなかった!?

RPGを作りたいから、自分の好きなものと既存のRPGを組み合わせて、なにが面白いかよくわからない企画を考えたりしてませんか?(僕はあります&今でもやります)

皆さんこんにちはスタジオしまづの嶋津です。

今回は僕がゲーム制作を学ぶために読んだ「ゲームは動詞でできている」で発見したことを書きます。ゲームを作っている or 企画を考えている方向けに、天才はどうやってゲームを思いついたのかを共有する記事になります。

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『クインティ』『ポケットモンスター』シリーズの生みの親として世界に知られる田尻智氏監修、ゲームプランナー浅野耕一郎氏による、まったく新しいゲームアプローチのゲームデザイン入門書です。イラストは田中圭一さん。ゲームファン、ゲームクリエイターの現役さんも志望者さんも必読です。

本題:ポケモンは昆虫採集が着想の原点ではなかった!?

結論から言えば「交換」に焦点を当てたゲームを作りたいというのが始まりです。

実際に開発者の田尻さんが監修した「ゲームは動詞でできている」の文章を引用します。

 ここで重要なのは、『ポケットモンスター 赤・緑』は「何か変わったRPGを作ろう」というモチーフで発想されたのではない、ということだね。ゲーム機の「通信」という機能に着目して、ポケモンがそれぞれのプレイヤーの手元から、別のプレイヤーの手に渡っていく。そのことをゲームとしてフィーチャー(注目する)ことがモチーフとなった。「動機」の面でも、「題材」の面でも。

 ここからさらに、『ポケットモンスター 赤・緑』で有効な通信を促すために導入されたのが、強力なゲームシステムとしてのギャザリング(収集)だったと、各所のインタビィーで田尻氏は語っている。

補足:モチーフとは動機であり題材(どういうゲームをつくりたいのか?/具体的にゲームとしてなにをもとに形にしていくのか?)

ここからは僕の解釈になりますが、田尻さんは「交換(本では通信)」という動詞(動名詞)から面白いゲーム or 新しい体験が作れないかと考えて、それを活かすために「収集」「育成」つまり「昆虫採集」の要素を入れていったことがわかります。これは僕にとって衝撃でした。

なにが衝撃なのか?

「交換」が着想の原点であっても「昆虫採集」が着想の原点であっても変わらないように思いますが、僕にとっては大きな違いがありました。それはなにか?
(ここからが個人開発者に大きくかかわる部分です)

「思いつきやすさが違う」

詳しく説明する前に、「昆虫採集」と「交換」に対する僕のイメージを共有します

これをみると、昆虫採集を構成している要素は「集める/育成/捕獲/交換」など複数存在します。一方「交換」はこれ以上はなく、逆に交換を要素としているものが多いです。

何が言いたいのかというと、「昆虫採集」は昆虫採集を知らないと構成要素もわからないため、そこからゲームを作っていくこともできません。一方「交換」であれば自分が知っている交換を要素としたものからゲームを考えていけばよくなります。また、構成要素が少ないところから始められることは、ゲームの作りやすさにもつながります。(あれもこれも入れたいでなかなかまとまらないことはないですか?僕はあります)

つまり、「シンプルな動詞/動名詞」に着目して、ゲームとして新しい体験や面白い体験を作れないか?その体験っていままでの自分の経験の中でなかったか?シンプルな動詞を引き立てるための動詞/動名詞ってなかったか?って考えれば自分の得意なこと&小さなところからゲームを考えていくことができるということです。

この考えは僕たちのようなインディーゲーム開発者にとっては大きな武器になると思います。
企業であれば、ある程度決められた内容なり世界観でつくらないといけませんが、個人なら好きなものから始められます。つまり、自分の詳しいこと/好きなことが活かしやすくなります(これが個人開発が唯一企業に勝てる点です)。
また、企業と違ってできることに限りがあるため、小さく始められることも大きなメリットです。

まとめ

まずは「シンプルな動詞/動名詞」に着目してゲーム制作を始めることは、1つの手法であり、それは僕たち個人開発者にとって大きな武器になると思いました。

ここで1つ気になるのは、なぜ田尻さんは「交換」をゲームにしようと思ったのでしょうか?これはゲームを思いつく or 作るきっかけとなる重要な話です。そこにはみんな大好き「ゲームボーイ」が関係しています。つづきはまた次回の記事で書きます。

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