皆さんこんにちは、株式会社スタジオしまづの嶋津です。
今回は開発者なら誰でもぶち当たる壁「企画の壁」についてです。具体的には、ゲームを作るときに「どんなゲームにしようかな」「面白いってなんだろう」「どうやって考えたらいいんだろう」って悩みませんか?
今回はトリックアートxアイテム探しのパズルゲーム「Vignart」を開発する際に、どう考え、どう行動したかを共有することで、「企画の壁」を突破するヒントになればなと思っています。

そもそも「面白い」とは?
さて、企画の壁といえば、もちろん「面白いかどうか」だと思います(今日企画職の人と話したのですが、面白いってのは当たり前っていってました!!)。でも、そもそも面白いって何だと思います?わかります?(わからないっていえ!!!)
なぜわからないのかについて考えると、その原因は人によって面白さって違うからだと思っています。でもここ1年ゲーム会社の企画の人や本や動画で教わって勉強したところ「感情の動き」が面白さの要因になっていると分かってきました。
確かに、ジェットコースターとかホラーゲームとか何がいいんだ?って思いますけど、「感情が動く=面白い」で説明ができます。
となると、次は、過去に自分の感情が動いたものを探って、なぜ感情が動くのか?を探っていきそれをゲームに落とし込めばいいわけです。(教えてもらった名言:ゲームは感情の発生装置)
自分の感情が動いたもの
「自分の感情が動いたものを考えろ!」っとは言ったものの、なかなか難しいですよね。ただ1つヒントとしてあるのは「意外性」かなと思います。僕の場合は意外性のあるものは、感情が動きやすいです。このヒントをもとにもっと具体的なものを考えてみると「トリックアート」がありました。感情が動く種類としては「(意外性の)驚き」「仕組みに気がついた快感」だと思います(ChatGPTに聞くとヒントをくれます)。
ただ、ここで冷静に立ち止まる必要があります。それは
「そもそも、トリックアートのような驚きや快感を持つゲームを作りたいのか?」
です。
法人とはいえ社員は二人ですから、インディーの最大のメリット「自分が作りたいものを作る」という点を外すのは良くないです。皆さんもここは重要でよね?(僕はただ作ってみたいという理由だけでGOサインをだしました)。
さて「トリックアートはなぜ感情が動く(驚きや快感がある)のか?」に話を戻します。
それを調べる&先人の知恵を借りるために、トリックアートを使った既存のゲームを調べることにしました(既存のゲームで調べる点がまだまだ甘いといわれそうですが)。
調査のためにやったこと
トリックアートを使った売れているゲームとして「Gorogoa」があったので、それを起点に社員のじょにさんに以下のお願いをしました。(僕はその間に雇用関係で役所にいました)

最後の方に書いてますが、僕の考える売れるゲームとは「共感が得られる+意外性がある」という点も意識していました。どうすれば共感が得られるのかは難しいの今でも苦戦中です。
この他にも、以下の内容を見たうえで考えてもらいました。
【ゲーム企画書】ゲームプランナー志望に向けるゲームコンセプトとゲームシステムについて
みつかった感情の発生方法
じょにさんには、ゲームを遊んだ感想/何が面白い/コンセプトを提出してもらいました。
実際の資料はこちらにあります。


その結果「異なるものを組み合わせて新しい何かができるとき、意外性を感じる=面白いと感じる」という結論になりました。
コンセプトの決定
ここから、異なる何を組み合わせるのか?新しい何を作るのか?について話し合い、最終的にじょにさんが出してくれたコンセプトとして
「異なる物同士をある視点から見たときにぴったりハマって別の物が見える瞬間が最高に気持ちいいゲーム」
を選びました。ここでのコンセプトとは「どの感情をどうやって引き出すのかが書かれたもの」として考えています。そのあと企画書をじょにさんに書いてもらいました(著作権に引っかかる画像があるので最終的に出来上がった画像を共有します)。


まとめ:企画の壁の突破法
以上がスタジオしまづで行った「企画の壁を突破する方法」です。まとめると以下です。
- 「面白い=感情の動き」に着目
- 自分の感情が動いたものを探す
- その感情は何なのか明確にして、それを発生させる装置(ゲーム)を作りたいのか確認する
- なぜその感情が発生するのか?を調査する(今回は既存のゲーム)
- 調査をもとに、狙った感情の発生方法を整理する
- コンセプト(どこ感情をどうやって発生させるか)を決める
(ターゲットのこととか、全然考えてないですが、そのあたりはまだ伸びしろってことです!)
いかがだったでしょうか?企画については賛否両論あると思いますが、少なくとも思い描いたゲームを半年でリリース段階まで作れたので、うまくいったとは思っています。
もし役に立ったと思った方は、シェアしていただけると嬉しいです!次回は「3Dモデルを作れる人がいない!?:人材不足の壁」です!
ゲームの宣伝
『Vignart(ヴィグナート)』は、お宝大好き“C&Cブラザーズ”と一緒に、童話の世界で視点トリックを体験できるアイテム探しゲームです。
童話モチーフのオブジェクトを回転させ、複数のアイテムがピタッと重なると、そこに隠れていたシルエットがふわりと現れます。異なるものが重なって、新しい何かに見える――そんな驚きと発見の快感を片手操作で手軽に楽しめます。ぜひ遊んでみてください!